養育費に関するQ&A その3
前回に続き、養育費について、多いご質問をまとめました。
再婚した時はどうなるの?
お子様と同居している親が再婚した、というだけでは、別居している親の扶養義務はなくならないので、養育費は引き続き受取れます。
再婚を機に、お子様と再婚相手が養子縁組をした場合には、
同居している養親の方が、別居した実親よりも優先的に扶養義務を負うべき、
との考えから、養育費を受け取れなくなる場合も多いです。
ただ、再婚相手の扶養能力が不十分な場合には、実親が引き続き、減額された養育費を負担することもあります。
払ってもらえない、を防ぐには?
以前申し上げたとおり、養育費について合意した内容を書面にすることが大事ですが、
書面にしたのに支払われなくなった、というご相談をお伺いすると、
未払いがあってもすぐに確認、催促していない方も多いです。
それでいいか、と思われないよう、簡単に、ラインやメールでいいので、確認をすることが大事です。
また、別居している親とお子様が交流をしていないと、法的には養育費を支払う義務があっても、実際には、支払いが滞る傾向があります。
公正証書にした方がいいの?
合意書に記載した内容で、公証役場で公正証書を作成しておけば、
不払いが生じたら、すぐに給料を差し押さえて、勤務先から直接受け取ったり、そうされたくない、という気持ちにさせることで、支払をより確実にできます。
ただ、作成には双方が公証役場に行く必要があり、費用もかかります。
その一方で、収入を給料で受け取っていない、そもそも収入がないという相手だと、差し押さえる財産が見当たらず、回収できないことも多々あります。
合意書があれば、裁判所の手続で文書を作成する時間はかかりますが、その後に差押もできます。
まずは合意書が大事で、あとは相手の仕事の状況によると思います。
次回は、今回のお話にも出てきた、別居した親とお子様の面会交流のお話をさせていただきます。
このコラムを書いたのは・・・弁護士法人ForPEACE渡邊未来子
1974年茨城県生まれ。東京大学教育学部付属高等学校卒業、早稲田大学法学部卒業。最高裁判所司法修習(第53期)。都内企業法務事務所、一般民事事務所勤務のほか東京法務局、東京国税不服審判所での任期付公務員を経て2019年1月、わたしのみらい法律事務所を開設。2022年12月、弁護士法人ForPEACEに参加。弁護士資格のほか、保育士、チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラーの資格を持つ。
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