養育費に関するQ&A その2

養育費について、多いご質問をまとめました。


養育費を払っていた親が亡くなったら、支払いはどうなるの?


養育費の支払義務の根拠となる扶養義務は、本来の支払義務者だけが負担する(一身に専属する)義務とされており、相続はされません。

お子様と別居して、養育費を支払っている親が亡くなっても、その配偶者や子ども、その両親(お子様の祖父母)に相続されるということはありません。

ただ、両親に経済的な余裕があり、お子様と同居する親の生活が困窮している、という場合には、

両親に自らの義務として、扶養義務が生じる可能性もありますが、事情を見て裁判所が判断することになりますから、

養育費のように、必ず一定額をもらえる、ということにはなりません。


なお、離婚して、親権者でない親でも、亡くなればその子どもには遺産についての相続権があります。

ただ、別居していた親が、生前、どのように生活していたかは分からないことも多く(面会交流していないとなおさらです)、資産だけでなく負債も相続してしまう可能性があります。

亡くなってから、あるいは亡くなったことが分かってから3ヵ月以内に、亡くなった親(被相続人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続を放棄する申立をするか(何もしないと相続したことになってしまいます)、

対応を検討する必要がありますので気を付けてください。


養育費の支払に保証会社は付けられるの?


最近は、養育費の保証会社も数社あります。保証契約をして保証料を払えば、不払いの際には、本来の支払義務者の代わりに保証会社が支払ってくれます。

その後は、保証会社が支払義務者に、立替払いした分を請求することになります。

支払義務者の了解は、あった方が契約しやすいですが、なくても契約できるブランを用意している会社もあります。

ただ、保証契約は法律上、書面でする必要があり、その前提となる養育費の合意自体も、書面で明確にしておく必要があります。

また、支払義務者の資力等の審査もありますから、支払義務者の収入状況によっては、保証してもらえないこともあります。


なお、支払義務者のご両親を保証人にできないか、聞かれることも多いのですが、将来にわたる負担感の大きい養育費の支払いの保証人となることまでは、了解が得られない可能性が高いと思います。


養育費については、お問い合わせもいただいておりますので、次回まで、もう少しお話をさせていただきます。



このコラムを書いたのは・・・弁護士法人ForPEACE渡邊未来子

1974年茨城県生まれ。東京大学教育学部付属高等学校卒業、早稲田大学法学部卒業。最高裁判所司法修習(第53期)。都内企業法務事務所、一般民事事務所勤務のほか東京法務局、東京国税不服審判所での任期付公務員を経て2019年1月、わたしのみらい法律事務所を開設。2022年12月、弁護士法人ForPEACEに参加。弁護士資格のほか、保育士、チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラーの資格を持つ。

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