婚姻費用の請求をしっかりと

ご別居後、離婚成立までの間は、お子様だけでなく、ご夫婦間でも扶養義務があり、婚姻費用として生活費を支払う義務があります。


算定表で簡単に算定、説明できる


婚姻費用、算定表、で検索すると、「養育費・婚姻費用算定表‐裁判所」(令和元年12月23日公表)という算定表が出てきます(一番上ではないことが多いので、表記に注意してください)。

お子様の人数(0~3名)、お子様の年齢(14歳以下、15歳以上)によって表が異なるので、

ご自身と一致する表を選んで、義務者(配偶者)の縦軸、権利者(ご自身)の横軸のそれぞれの収入から引いた線が交わったところが、2万円の幅はありますが、おおよその婚姻費用相当額となります。

相手と話したくない場合でも、この表に線を引いたものをメール添付して、支払を依頼する簡単な文章を送ればいい、ということになります。


請求の意思を示す手続きをとること


相手がすぐに応じればいいのですが、自分から別居したのだから払わない、と言われることもあります。

その場合は、婚姻費用分担調停を家庭裁判所に申し立てますがいいですか、と伝え、応じなければ速やかに申立をして下さい。

分担額が定まれば、過去の未払分も精算することになりますが、

ご別居時からではなく、請求の意思を「明確に」示した時からの未払分となり、調停では、申立の時点から、とされてしまうことが多いです。

裁判所のHPで書式をダウンロード、記入して、記載された必要書類や郵券、印紙と一緒に郵送すれば申立ができます。


離婚に応じるように促す効果があること


婚姻費用を支払う側は、同居していない配偶者の生活費を分担することに疑問を感じ、それより低い額の養育費で済ませたい、と思う可能性が高く、離婚の成立を促す効果があります。

そのためにも、婚姻費用分担の請求は、しっかり行ってください。

次回は、離婚成立後の養育費についても、お話をさせていただきます。


このコラムを書いたのは・・・弁護士法人ForPEACE渡邊未来子

1974年茨城県生まれ。東京大学教育学部付属高等学校卒業、早稲田大学法学部卒業。最高裁判所司法修習(第53期)。都内企業法務事務所、一般民事事務所勤務のほか東京法務局、東京国税不服審判所での任期付公務員を経て2019年1月、わたしのみらい法律事務所を開設。2022年12月、弁護士法人ForPEACEに参加。弁護士資格のほか、保育士、チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラーの資格を持つ。

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